平成10年度研究成果
- スーパー繊維複合構造織物の開発
- 特殊カラミ装置の開発
- 織物組織図の自動認識技術
- 組織構造による表面効果の解析
- 経ストレッチ織物の製造技術
- 羊毛の染色・防縮同時加工による薬剤使用の効率化
- 修飾酵素によるバイオ素材の開発
- ウールケラチン系再生繊維の糸質向上に関する研究
- 機能性ペプタイドの開発技術
- アラミド繊維の染色堅牢度改善技術
- 起毛工程の計数化技術
- イタリア製織物の糸の素材、形状分析
- 紳士服地の構成要件と力学的特性、可縫性の評価
- 織物の防しわ性評価手法
- 獣毛織維の特性評価
- 情報ネットワーク総合公設試調査研究
(目的)
アラミド系繊維など高強度・高弾性率繊維を衣料用に活用する場合の問題点(染色性、伸縮性等)を解決するため、合化繊フィラメント糸等との交撚、交織などの複合化技術と織物の特性評価手法を研究し、耐創傷性等に優れたレクリエーション衣料用素材を開発する。
(実施内容)
- レクリエーション衣料用織物の規格検討
- 合化繊フィラメント系との複合化方法検討
- 製織準備及び製織技術の検討
- 耐創傷性、伸縮性等の特性評価
(成果)
昨年度開発したスーパー繊維織物に、耐創傷性の性能を維持しつつ、一般的織物レベルとストレッチ織物レベルの2つの伸縮性を付与する技術を開発した。
- スーパー繊維糸とポリエステル・毛混紡糸を1:1配列の織物にすることで、一般的織物レベルの伸縮性を付与した。また、スーパー繊維糸とポリウレタン糸を撚り合わせた糸を用いて織物にすることで、ストレッチ織物レベルの伸縮性を付与した。
- 従来型の織機に、二重ビーム方式を用いることで、伸縮性を付与した織物の生産を可能とした。
- 一般的織物レベルの伸縮性を付与については、伸縮性未付与のスーパー繊維織物に対して2倍の伸長率5%を得た。ストレッチ織物レベルの伸縮性を付与については、糸レベルで伸長率50%、この糸を用いた織物では13%〜25%の伸長率を得た。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
カラミ織の製織法には単式と複式があり、単式法では複雑な組織のカラミ織を製織できるが、綜絖枠が多数必要になる。しかし、ドビー織機では使用できる綜絖枠に限度がある。そこで、従来のカラミ綜絖を改良することによって、一組のカラミ組織に使用する綜絖枠を少なくし、今までにない複雑で新規なカラミ織物を開発する。
(実施内容)
- 単式法による各種片カラミ織物の試作と製織方法の検討
- 新規カラミ綜絖の試作と製織性の検討
- 開発した力ラミ綜絖による試織と織物柄効果の検討
(成果)
- 開発した新規カラミ綜絖により、従来の単式法によるカラミ織で必要であったスラックナー装置(弛み取り)やガイドバー等の付属装置が一切不要になった。
- これらの装置が不要になったため、カラミ経がガイドバー等と摩擦することが なくなり、毛羽立ちや糸切れが少なくなった。
- カラミ経の経路がシンプルになるので、複雑なカラミ織りでも、普通の織物と同じ感覚で製織できるようになった。
- V字型の半綜絖と2つ目綜絖を1枚の綜絖枠に通すため、従来行っていた綜絖で代用する製織方法に比べ、カラミ綜絖1セット当たり1枚の綜絖枠が節約できる。
- 欠点としてはV字型綜絖と2つ目綜絖を同じ枠に通すため、この綜絖枠だけが外の枠に比べ3倍の密度になることである。このため、密度の込んだ織物は製織できないが、フラットヘルドとワイヤーヘルドを組み合わせたV字型綜絖ができれば、高密度織物も製織可能である。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
織物企画設計作業の高度化・効率化を図るため、収集されている膨大な織物組織図をコンピュータ上でイメージングするよう、コンピュータ画像処理等を応用した織物組織図自動認識技術に関する研究を行う。
(実施内容)
- 織物組織図の画像解析手法の検討
- 織物組織図の表示手法の検討
- 織物組織図の自動認識技術の検討
(成果)
- イメージスキャナーで読み込んだ組織図画像を、コンピュータ画像処理を用いて自動認識を行うプログラムを開発し、組織図から直接、織物シミュレーションに必要な情報を抽出することが可能となった。
- 組織図シミュレーションプログラムを作成し、認識結果を画面上で表示できるようにし、組織図情報の追加・補正を可能とした。また、組織図の特徴を組織図形状パラメータに表し、別途作成した組織図データベースから、近似組織図の検索を行うことも可能とした。
- 組織図データベースを作成し、ID番号で組織図を検索が可能となった。また、織物情報も併せて登録し、織物のID番号、名前、キーワードから、組織図を含んだ織物情報を検索が可能となった。
以上の1〜3により、織物企画設計作業の高度化・効率化を図った。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
表面効果のある織物(模紗や蜂巣など)を企画する上で重要となる、組織が織物中の糸の挙 動に及ぼす影響について解析し、織物表面の形状を予測する手法を確立する。
(実施内容)
- 織物表面における糸位置の計測方法の検討
- 織物表面の糸位置の計測
- 織物組織と表面形状の関係解析
(成果)
織物は構成している糸の交錯状態(以下組織構造と呼ぶ)により、表面形状が大きく変化するが、組織構造と表面変化との関係は不明確であった。本研究では組織構造と表面変化との関係について解析した結果、次の成果を得た。
- 表面形状測定手法の確立
既存の表面形状測定装置と独自のデータ処理法を組み合わせることにより、織物の表面形状を容易に算出することを可能にした。
- 組織構造と表面変化との関係解明
織物中の糸の交差箇所における表面形状データを解析し、その結果から組織構造と表面変化との関係を明らかにした。
- 表面形状予測手法の確立
組織構造を示す組織図から表面形状を推測する手法を確立し、推測した織物形状を画像で表示するソフトウェアを開発した。これにより、曖昧な経験則や手間の要する試織に頼ることなく、織り上がったときの表面形状を確認することが可能となった。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
最近の消費者の快適性追求のニーズの高まりにより、着心地の良いストレッチ織物の需要が急増し、当産地においても積極的に取り組まれているが、その製造段階においては、試行錯誤の段階で経験・知識とも非常に乏しい状況である。そこで、経ストレッチ織物の規格・製造条件とストレッチ特性および織物物性との関係を解析する。
(実施内容)
- ストレッチ糸の製造と特性分析
- 各種ストレッチ糸による経ストレッチ織物の製織
- 経ストレッチ織物の規格・製造条件とストレッチ特性との関係解析
- 経ストレッチ織物の規格・製造条件と織物物性との関係解析
(成果)
- ストレッチ糸の製造と特性分析
ストレッチ糸の製造と特性分析結果から、Z撚で強撚のストレッチ糸にするとハイグラルエキスパンションを抑えることが可能であることが分かり、ストレッチ織物に要求される性能の大幅な向上ができた。
- ストレッチ糸による経ストレッチ織物の製織
ストレッチ織物の製織における張力管理や摩擦等の留意点が明らかになり、これを遵守することによりポリウレタン弾性糸切れの全くない経ストレッチ織物の製織が可能となった。
- 経ストレッチ織物の規格・製造条件と伸長・収縮特性との関係解析
ストレッチ織物の規格・製造条件と伸長・収縮特性との関係解析から、充実度と残留ひずみ率の関係が重要で、安定したストレッチ織物を製造するためには、ストレッチ糸の収縮特性に配慮し、仕上後の経緯糸バランスを考慮した充実度となるよう織物の密度設定をする必要があることが明らかとなった。
- 経ストレッチ織物の製造技術の確立
高品質なストレッチ織物の製造には、残留ひずみ率を低下させることが大きなポイントであり、残留ひずみ率を低く抑えることにより、緩和収縮、プレス収縮、ハイグラルエキスパンションの収縮特性を要求されるレベル以上に向上させることが可能となった。
これらの解析結果から、要求される実用レベルを十分に満足するウール・ストレッチ織物の製造技術を確立することができた。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
羊毛の染色加工には多くの薬剤が使用されている。染色加工に使用する薬剤の環境への影響が少ないものをより少ない使用量で加工する方法が期待されている。そこで、染色加工に使用する薬剤を減少させるため、羊毛の染色と防縮加工を同時に加工し、薬剤の減量化と環境に優しい染色加工法について検討する。
(実施内容)
- 防縮加工剤(非塩素系の酸化剤、還元剤)中で安定な染料(非金属)の選択
- 染色・防縮同時加工条件の検討
- 染色・防縮加工織物の物性、染色堅牢度等の性能評価
(成果)
羊毛の防縮加工(モノ過硫酸塩)と染色(反応染料)を同時に行う方法について検討し、次の成果を得た。
- 染色・防縮同時加工が可能なことが分かり、薬剤使用量が削減でき、水の使用量も節減できる。
- モノ過硫酸塩による処理温度を通常の25℃より、高い50℃で処理することで、防縮効果が向上し、用水温度が上昇する夏期に対応した加工法である。
- 防縮の耐久性は、織物規格及び樹脂の性能に支配され、ウレタン系樹脂で良好な耐久性が得られた。
- 染色・防縮同時加工での染色への影響は、中色程度までは色の変化は少ないが、濃色では通常の方法に比べ、濃度及び染色堅牢度が低下する現象が生じた。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
各種繊維素材を修飾酵素により改質する方法について研究し、新規のバイオ素材を開発する。
また、構造や物性の変化について分子レベルで解析して明らかにする。
(実施内容)
- 酵素修飾用薬剤の選定及び加工条件の検討
- 修飾酵素によるバイオ素材の開発
- バイオ素材の諸物性並びに構造解析
(成果)
蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)を水溶性多糖類であるデキストランへ固定化する方法について研究した。その方法としては、まずデキストランを過よう素酸ナトリウムで酸化しアルデヒド基を導入した後、酵素のアミノ基と結合反応させる共有結合法を採ることとした。デキストランの酸化反応条件(酸化剤の量など)や、酵素-担体固定化反応条件(反応時のpHなど)につき検討し、調製した固定化酵素の諸特性を評価した結果、以下の成果を得た。
- 酸化反応時の酸化剤の最適配合量、固定化反応時の最適pH、酵素/担体配合比を見いだした。
- 酵素をデキストラン担体に結合させることにより、熱やpHに対する安定性の向上した固定化酵素が調製できた。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
修飾酵素により改質した各種繊維素材に、酵素触媒反応を利用し重合させたセルロース分子鎖を結合あるいは被覆することにより創製した新規バイオ素材の諸特性を明らかにする。
(実施内容)
- 修飾酵素の加工条件の検討
- 酵素触媒反応条件の検討
- バイオ素材の諸物性並びに構造解析
(成果)
前年度の研究成果を基に,還元抽出型ケラチンとPVA樹脂の混合溶液からの湿式紡糸による繊維化及びその糸質向上を図るための延伸化について研究し,以下の成果を得た。
- 紡糸装置をエアーギャップ方式から,紡糸原液を直接凝固浴中に吐出し繊維化する浸せき方式に改善することにより,安定した湿式紡糸が可能となった.
- 還元抽出型ケラチンとPVA樹脂の共通溶媒としては,前年度検討した塩化亜鉛/エタノール/水3成分系溶媒より,水単独溶媒が繊維化には適していた.
- 高重合度タイプのPVA樹脂を使用することで,溶液粘度・凝固性ともに優れた紡糸原液が調整できた.
- 繊維化における吐出条件及び延伸条件を検討した結果,羊毛と同程度の繊維物性を有するウールケラチン系再生繊維が開発できた.
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
各種動植物性タンパク質を加水分解により低分子量ペプタイド化する技術を研究するとともに、繊維加工用ペプタイドの持つ各種機能について明らかにする。
(実施内容)
- 各種タンパク質の最適加水分解条件の検討
- 繊維加工用ペプタイドの特性解析
- 機能性ペプタイド付与加工繊維の性能評価
(成果)
各種動植物性タンパク質を加水分解により低分子量ペプタイド化する技術を研究するとともに,繊維加工用ペプタイドの持つ各種機能について明らかにした。
方法としては,各種の動物や植物性のタンパク質を酵素により加水分解することにより,機能性ペプタイドとする技術を研究するとともに,機能性ペプタイドを付与加工した繊維の性能評価を行った。この結果,つぎのような成果を得た。
- 各種タンパク質のペプタイド化技術を確立した。
- 繊維加工用ペプタイドの諸特性を解析して明らかにした。
- ペプタイド付与加工繊維の各種性能評価に関するデータを得た。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
アラミド繊維は高強度・高弾性率、さらに優れた耐熱性、耐難燃性、耐薬品性等を有する。
しかし、結晶性が高く、分子間結合力が強固で繊密な分子構造であるため、他の汎用繊維に用いられる染色技術が適用できない。このため、濃染化加工法及び高温染色により染料又は顔料を繊維内に拡散させる染色方法が必要となる。さらに、染色物の耐光染色堅牢度について課題があるので、これを改善する研究を行い、実用染色としての技術を確立する。
(実施内容)
- 濃染化方法の検討
- 染料等の染着状態の微視的観察と評価
- 染色堅牢度の改善方法の検討
(成果)
- 濃染化方法の検討 前処理方法及び染料種の選択による濃染化を検討した。
- 前処理はDMSO、カチオン化の処理のいずれも未処理に比較して濃染化し、DMSO処理が最も染料染着濃度が高い結果となった。
- 染料種は分散染料、カチオン染料、金属錯塩染料、反応染料で染色試験した。その結果、金属錯塩染料に最も濃染化の効果が認められた。
- 染料等の染着状態の微視的観察と評価 濃染化試料について顕微鏡による繊維断面を観察した。その結果、メタ系アラミド繊維にDMSO処理後に分散染料で150℃浸染したものが、繊維内部への染料の拡散・浸透状態が最も良好であった。このことから、浸染では前処理が染色性の向上及び濃染化に寄与することがわかった。
- 染色堅牢度の改善方法の検討 染色堅牢度のうち、アラミド繊維で最も問題となる耐光堅牢度、及び、実用上から必要となる摩擦堅牢度の改善について、染料種の選定と濃染化方法から検討した。
- 耐光堅牢度における変退色と色差は、耐光試験20時間、40時間とも金属錯塩染料が最も優れていた。
- 摩擦堅牢度試験の結果、乾・湿摩擦とも分散染料が、最も良好であった。浸染とサーモゾルでは、サーモゾルが全体的に摩擦堅牢度が良好であった。
- 濃染化と光による強力低下の関係を検討した結果、未染色で14%の強力低下に対して金属錯塩染料10%濃染で2.8%の低下であった。金属錯塩0.5%の薄い濃度では、6%強力が低下した。これについては、いずれの染料種も同様の傾向を示し、濃染化することでアラミド繊維の光脆化を軽減できることがわかった。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
消費者ニーズの多様化・高級化の中で、ますます新しい起毛表面を持つ製品が求められている。起毛加工条件の設定は、現場熟練者の経験によるところが大きく、現場熟練者の高齢化の進む中、経験と勘の計数化が緊急の課題となっているので、起毛技術の客観化を図るための研究を行う。
(実施内容)
- 起毛前後の布の物性側定
- 起毛条件と布の物性変化測定
(成果)
紡毛織物の起毛加工条件の設定の指針を得るため、前処理、起毛機の運転条件等 をいろいろ変化させ、布の機械的特性を測定したところ、次のことが分かった。
- 繊維を引っ張り出す(起毛)作用は、布の速度を規定するキャパシタンローラー(CAP)の回転数と、布の速度と逆方向に作用するカウンターパイルローラー(CPR)の回転数の差によって決まるが、パイルローラー(PR)にはほとんど関係ないことがわかった。CAPとCPRの差が増えるにしたがって、引張特性、曲げ特性は、極大値をとる。剪断特性は減少する。圧縮特性、表面摩擦抵抗は何れも増加する。また、強度、重さは急激に減少することが分かった。
- 前処理である縮絨の程度によって起毛され易さは影響を受け、大きい場合は起毛されにくくなることが分かった。
- 起毛後蒸絨プレスすることにより、回復性が増し、形態安定性が増す作用があることが分かった。これは起毛により絡み合って不安定な繊維が蒸熱で安定化し
外力に対して復元力が増すことによるものと考えられる。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
近年、テキスタイルの輸入が増大し、本県繊維産業にあっても多大な圧迫を受けている。とりわけ、イタリア物とは直接競合しており、対応が急がれる。イタリア物については、感性の良さが強調されるが、それを裏付ける物性について十分な分析、把握がなされていないのが現状である。そこで、本研究において、デザイン構成要素としての物性を分析し体系化を図る。
(実施内容)
イタリア製生地を集め、その織物の素材、組織、色などについて分析し、傾向を把握する。
- 素材分析
原料、ブレンド、繊維長、径など
- 紡績
番手、撚係数、撚縮率、混用率など
- 撚糸
意匠糸、加工法、形状、撚数など
(成果)
糸を中心にイタリア製織物の組成、目付、番手、糸種、色数等を調べ、分析し次の成果を得た。
- 織物の表情が違う。イタリアの立体的表情に対し、日本製は平板である。これは、組織、密度、異番手使い、仕上げによる相違であることが確認できた。
- 色使いが違う。イタリアは油絵のように多数の色を重ねて表現している。単色の糸は少ない。多数の色が混色効果を生みだし、結果、色冴え、深みに優れる。
- 糸種が多い。イタリアは毛、獣毛を基本に色と撚糸で多様化し、番手、意匠糸、色ミックスにおいて、多様な織物作りを可能にする。
- 組み合わせがうまい。色、質感の組み合わせに優れる。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
衣服素材の多様化に伴い、縫製業界においては、素材の性質・特徴にあった縫製技術が求められている。
このため、生地構成要件の持つ力学的特性を把握し、その可縫性を検討することにより、業界の素材対応力を高め、短納期化への対応強化を図る。
(実施内容)
生地製造工程における構成要素とその力学的特性を把握し、その可縫性を予測することにより、衣服材料としての性能評価を行う。
- 紳士服地の構成要件と力学的特性の把握
- 力学的特性に基づく可縫性の予測
(成果)
衣服素材の多様化に伴い、縫製業界においては、素材の性質・特徴にあった縫製技術が求められている。このため、生地構成要件による力学的特性を把握し、その可縫性を検討した結果、次の成果を得た。
- 紳士服地の構成要件と力学的特性の把握
春夏向紳士服地89点の織物規格とKES値との関係を調べ、充実度、より数等がKES値に与える影響を明らかにした。また、充実度を変化させた織物18点の試作と解析を行い、充実度がせん断剛性等と高い相関があること、経・緯のKES値の変化は互いに相関が高いことなどを明らかとした。
- 力学特性に基づく可縫性の予測
服地のパッカリング発生度を容易に評価する方法を考案し、その評価とKES値、織物規格との関係を解析した。この結果を基に、可縫性の良好な春夏向紳士服地の規格範囲の設定と範囲を越えた場合の主な問題を明らかにした。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
毛織物を主体に、織物規格と防しわ性との関連について解析し、再現性に優れた衣服の着用しわ評価手法について研究する。
(実施内容)
- 織物規格と防しわ性の検討
- 着用条件と防しわ性の検討
- 着用しわ評価手法の確立
(成果)
繊維製品の品質評価の検討として、織物の防しわ性評価手法について研究し、次の成果を得た。
- 梳毛織物の防しわ性は試料の水分量に影響されるが、その影響力は形態安定加工、防縮加工、はっ水加工等を行った機能性加工織物も未加工織物もほぼ同じであることが分かった。
- 外気の湿度が防しわ性に与える影響は、モンサント法よりもリンクル法がより顕著であることが分かった。
- レーザーを用いて判定用標準レプリカの表面形状の計測を行い、計測値による等級(1級〜5級)の区分が可能であることが分かった。
- しわの経時変化と計測値には相関性が見られ、しわの客観的な判定の有効性が示唆された。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
獣毛織維の鑑別(識別・同定)のため、様々の特性を評価するとともに、その鑑別への応用を検討する。
(実施内容)
- 獣毛織維特性の検討
- 鑑別への応用の検討
(成果)
獣毛繊維の特性を評価するとともに、その鑑別法への応用を検討した結果、次の成果を得た。
- 各獣毛のアミノ酸の組成は、個々のアミノ酸の組成比には僅かながら差は認めらるものの、総じて著しい差は認められなかった。
- 各獣毛のタンパク質の電気泳動は、アンゴラとアルパカはその泳動パターンが羊と差が認められ、山羊毛(カシミヤ、モヘヤ)も羊毛と僅かながら差が認められた。このことから、獣毛の鑑別への応用の可能性が示唆された。
- 羊毛と他の獣毛との混用率測定法は、走査型電子顕微鏡によるスケール端の高さ測定法が最も有用性があると考えられ、その自動化が今後の課題となる。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|
(目的)
インターネットなどの情報ネットワークを活用し、商工部6試験研究機関の研究、指導、情報提供などの機能、事業の共通化、共同化を図り、総合機能化を進めるとともに、マルチメディア機器を活用した技術指導・相談システムの構築のための調査研究及びシステムの稼働実験研究を行う。
(実施内容)
- 情報ネットワーク活用による6機関機能の統合化、総合化調査
- 情報ネットワーク・マルチメディア機器を活用した遠隔技術相談システム調査
(成果)
技術総合支援システム研究開発推進事業ワーキングの成果を、以下の内容からなる「技術総合支援システムに関する調査報告書」としてまとめた。
愛知県内に設置されている公設試験研究機関は、1.研究開発機能、2.技術相談・指導機能、3.技術情報提供機能、4.依頼試験・分析機能を有し、これまで、県内の多くの中小企業に対して、工業技術のレベルアップや技術的裏付けを行うための拠り所として、常に指導的立場を担ってきた。
また、昨今の情報ネットワークを中心とした情報技術の革新は、テレビ会議システムやインターネットなど従来では高度で高価な情報通信手投と考えられていた技術が、急速に普遍的な手段となり安価に利用できるようになってきた。特に、インターネットは安価な通信費用で多くの情報を得られる情報基盤として、公共性の高い通信網になりつつある。
県内に設置されている6試験研究機関においても、これまで果たして来た指導的役割をさらに強化し、利用者がより利用しやすい形態を構築するために、これらの情報通信技術を活用することが望まれる。そのため、調査報告書は、情報通信技術を利用した技術総合支援システムの構築を念頭におき、その必要性と実現性および実現のための方法論を調査した結果を取りまとめた。試験研究機関において情報化を行う目的は、研究開発機能、技術相談・指導機能、技術情報提供機能の共通化、共同化を図り、技術総合支援システムヘの機能強化が上げられる。そのためには、まず、個々の機能の情報化、ネットワーク化、マルチメディア化が必要であるため、第1章にて、各機能ごとの現在の問題点を洗い出している。第2章にて、県試験研究機関の有機的連携の必要性について論じ、技術総合支援システムの必要性とイメージを明確にしている。第3章においては、現在実際に行われている情報ネットワークを活用している試験研究機関の事例調査報告と、情報ネットワークの各要素技術の動向について詳しく述べて技術総合支援システムの実現性を示唆している。第4章は第1章から第3章までの議論をもとに、技術総合支援システムを実現する上で、試験研究機関が今後どのように収り組んでいくべきかを段階を踏まえて論じており、本報告書の結論部分となっている。
以上4章からなる本報告書で、秒読み投階に入った21世紀の愛知県試験研究機関の在り方と可能性を示している。
|ページの先頭へ|戻る|尾張繊維技術センタートップページへ|